Fukushima Nuclear Disaster
福島原子力災害を経た原子力のあり方
180123
原子力発電は夢のエネルギーとして大きな期待を集めていた。しかし、放射性廃棄物の処理に見通しがなく、その処理コストも幾らになるのか不明である。要するに、原子力発電は行き詰っている。
ここで紹介するのは、2009年に公開された「放射性廃棄物 終わらない悪夢」と題する動画(1時間31分)である。友人が動画ファイルをネットで閲覧できる形式に変換し、下記のURLに掲載した。
https://1drv.ms/v/s!AjpRqMBZrbH8iBRivToag-yV_UfV
米国のハンフォード核施設。核兵器用のプルトニウムを生産する施設である。施設周辺が放射能で汚染されている。
ハンフォード核施設 |
ソビエト時代に起きたウラルの核惨事。マヤーク核施設で放射性廃棄物を処理するタンクが爆発し、大量の汚染物質が放出された。
マヤーク核施設の汚染 |
フランス・ラアーグの再処理施設で使用済核燃料が再処理され、その際に発生した放射性廃棄物がロシア・西シベリアのトムスクまで輸送され、そこで保管されている。廃棄物はウラン95%、プルトニウム1%、ガラス4%で構成されている。
フランスのラハーグ再処理施設 |
使用済核燃料のプールでの水中保管。もし、プールの水が干上がったとき、事故に繋がる危険性が指摘される。日本でも使用済み核燃料はプールで水中保管されている。
使用済核燃料の水中貯蔵 |
水中貯蔵施設の分布 |
ドイツではラアーグ再処理施設で使用済核燃が再処理される。発生した高濃度の放射性廃棄物がドイツへ列車でゴアレーベンまで輸送され、貯蔵された。反対運動が強く、最終的な地下埋設は未解決である。
ドイツ 高レベル放射性廃棄物の輸送 |
フランスの元環境相がインタビューで、「行き詰った原子力」と述べている。
現在の日本における使用済核燃料を取り巻く状況は2009年当時と変わっていない。使用済核燃料を中間貯蔵するプールの空き容量は大きくなく、発電所による長短はあるが、5〜10年ほどの余裕しかない。
使用済核燃料の再処理によって発生する放射性廃棄物を地下に埋設する最終処分場については、議論の途中であり、最終的な回答が得られていない。