福島事故に関する提言

 

建築基準法に省エネルギー性能

 

日本では多くの住宅は断熱性能が大変低い。またモダンなビルはガラスと金属を多く用いて造られ、断熱性能が軽視されている。エネルギーを多く消費する建築において省エネルギーの性能を高めることは、エネルギー問題に大きな貢献をする。

そこで、建築基準に関して以下の提案をしたい。

 

1 建物の壁の単位面積あたり、単位温度差あたりに透過するエネルギー量を規定する。
  例えば、一般住宅では、◎◎ kW/m2℃以下
      大型ビルでは、XX kW/m2℃以下

 

2 窓についてもエネルギー透過率を規定する。
      
3 建物の床面積あたりの年間エネルギー消費量を規定する。
  例えば、 木造住宅  ◎◎ kWh/m2以下
        RC建築   XX kWh/m2以下

 

4 冷暖房をアクティブな方法からパッシブな方法に転換する。
  このための研究開発を推進する。

 

5 省エネルギーの数値目標と年次計画

 

現行の建築基準法は耐震性能や防火性能の向上に大きな役割を果たしている。東日本地震では、非常に強い揺れがあったにも関わらず、多くの建物が大きな損傷を免れている。多くの破壊は津波が原因であった。という訳で、耐震に関して、建築基準法は目的を十分に果たしている。

 

フィンランドで見たこと
1984年にフィンランドの友人宅を訪ねた。彼の木造住宅が完成したばかりの時であり、内部を見せてくれた。壁内部や天井裏には厚さ60cmのウレタンフォームの断熱材。窓面積は小さく、窓枠はガラス4層の木製であり、形状は耐火金庫の扉である。部屋の暖房は天井に埋め込んだ電気ヒーターでまかなわれ、風呂場は床暖であった。気密性が余りにも高いため、室内空気は熱交換してから強制換気されるという話しであった。家全体が冷凍冷蔵庫の仕様である。

 

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