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米イージス艦の事故原因は緊張感欠如

2017.06.26

 

2017年6月17日の午前2時半ごろ、伊豆半島石廊崎から南東20キロの海上で米国イージス艦とフィリピン船籍コンテナー船が衝突する事故が発生した。推定される事故原因は「米海軍の緊張感の欠如」である。

 

衝突回避義務がどちら側にあったのかが報道されているが、これは問題の核心から離れている。所詮、この視点から原因を究明しても日米地位協定の壁にはばまれて明らかにされないと思う。

 

1)事故が発生した海域は船の往来が非常に多い、混雑領域である。しかも、目視することが難しい夜間である。


2)イージス艦はステルス性能を持ち、レーダーに探知されにくい。 探知されたとしても、小さな漁船のように写る。従って、大型コンテナー船から漁船とみなされ、無視されやすい。


3)自衛艦の場合、夜間に、周囲1km以内に大型船を認めたら、小型船でなく大きい船であることを示すため、船体全体に明かりをつけて周囲に自船が大きいことを知らせるとのこと。イカ釣り漁船みたいに。


4)自衛艦の艦長は、ブリッジ(操舵室)にいて操船の指揮をとり、部下にまかせて、寝ることはない。


5)米イージス艦の艦長はブリッジ(運転室)から離れて、寝ていたようだ。

 

6)コンテナー船が米艦を認識できていなっかたとしても、米艦が周囲1km以内の大型船を認識していなかったことはあり得ない。衝突回避の措置をなぜ取らなかったのか疑問である。

 

米艦の船舶用レーダーが故障していた?もしそうならば、なぜ夜間に航行したのか。

 

7)軍艦は動力性能がとても高く、ポルシェのようなスポーツカー並。ガスタービンエンジンを搭載して加速性能は抜群。カジは2個も備え、急旋回ができる。

 

これに対して、コンテナー船は動力性能が低く、動きが鈍い。荷物を満載したダンプカー並みである。ポルシェがダンプカーに追突されたような、常識では考えられない事故が起きた。

 

8)事故現場から東京方面に進むと東京湾・浦賀水道に至る。ここは狭く、往来が激しい。横須賀港に向かう船は右側(東側)を航行し、横須賀港に入るために、西に90度方向を変え、東京湾外に向かう船の往来の中を横断する。そのため、衝突事故が起きやすい。

 

10年ほど前に、友人のヨットで浦賀から横浜まで航行した際に、浦賀水道の混雑、米艦の浦賀水道横断などを目撃した。

 

9)事故原因は米艦側の注意不足、緊張感欠如、東京湾海域をなめていたことであると思う。

10)イージス艦は機密満載である。事故を契機に種々の画像が公開されたので、機密の流出がありそうだ。

 

高価な船がオシャカになり、しかも7名の兵士が亡くなったことは、米国にとって大きな損失である。 艦長の責任は重い 。


11)日米安保条約に付随する「日米地位協定」が事故原因を究明するための障害になるであろう。協定によれば、米軍が関与する事故・事件の捜査権が米国側にある。しかも、機微な情報がいっぱいのイージス艦である。日本側が捜査をすれば機密情報がもれる可能性が出る。

 

横須賀の米軍司令官は捜査に協力すると述べていたが、現実は?

 

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