原子力、エネルギー、放射線についての解説

 

日常生活をどうするか

(これはあくまで私見です)

gai-zen

 

福島原発近くの人々は大変お気の毒であるが、首都圏では大気中や地表の放射線量率に問題はない。各地で測定された数値が新聞で毎日報道されている。水道水も今は安全である。

 

ところが、数ある発ガン原因のひとつが放射線であるため、安全な首都圏でも多くの人が放射線に神経質になっている。他方、現在の日本では、毎年亡くなる人の30%がガンで亡くなっている。こうした中、ガンにならないための日常生活と放射線の関係を考えてみる。

 

まず放射線の人体への影響を細胞やDNAというミクロな世界で見てみよう。放射線が人体に入っても、ほとんどの放射線は細胞内のDNAに出会うことはない。DNAは細胞内のごく一部であるため、放射線がDNAと出会う確率は大変小さい。DNAと出会ったとしても、必ずDNAを損傷するわけではない。しかし、確率は小さいがDNAを損傷する場合がある。幸い、DNAは損傷を受けても、自身で損傷を修復する機能をもっている。修復に失敗したとしても、細胞は自滅することにより、間違った細胞を再生産しない仕組みがある。極まれに、修復に失敗しても生き残る細胞があり、それがガンの発生につながる。

 

冒頭で述べたように、ガン発生の原因は色々ある。放射線以外にも、種々の発ガン物質、ウイルス、ストレスなどがある。体内では、毎日、多くのDNAが色々な原因によって損傷を受けているとのこと。それにも関わらず、障害の発生は極めてまれである。障害発生を克服する機能をもった種が進化の過程を経て生き残ったとも考えることができる。万一ガンが発生したとしても、原因が多様であるために、その原因が放射線であったと特定することは不可能である。

 

繰り返すが、自然放射線よりほんの僅かでも余計に放射線を被ばくすると10年、20年後に必ずガンになる訳ではない。余計な被ばくがゼロであってもガンになるリスクはある。

 

では、日常成生活をどうすればよいのであろうか。


まず、放射線をあなどらない。医療被ばくも含めて、無駄な放射線被ばくを避ける。それと同時に、放射線被ばくゼロを求めて神経質にならないこと。放射線以外の発ガン原因に対して、ほどほどに注意を払う。一般的に健康によいとされることを行えばよい。発ガン物質が少ないと言われるものを食べ、アルコールを飲み過ぎず、禁煙し、適度に運動し、十分な睡眠をとり、日常を楽しむ。

 

発ガンにつながるマイナス原因を少なくすることに注意を払うが、マイナス原因をゼロにすることを求めない。それと同時に人体がもつ免疫力を強くする生活習慣により発ガンを押さえることが大切と考える。

 

最後に私の結論を述べると、総合的にバランスよく健康に留意することが日常生活と放射線の望ましい関係である。

 

原子力、エネルギー、放射線