福島事故に関する提言

 

原子力規制庁への名称変更を歓迎する

 

環境省の外局として4月に発足する予定であった原子力規制を担う組織の名称を「原子力安全庁」から「原子力規制庁」に変更する方針が1月24日に政府によって固められた。1月27日の閣議で「原子力規制庁」設置に向けた関連法案が決定されることも報道された。私は新組織の名称が「原子力規制庁」に変更されることを歓迎する。


「安全庁」という名称では原子力は安全であるという建前が生き延びてしまい、真に安全であるのかどうかを疑う心構えが弱くなってしまう。「規制庁」とすることで、原子力に何か不具合がないどうかを、既成概念にとらわれることなく検査する心構えが強くなるものと考える。

「原子力規制庁」が発足することによって、原子力事故に関する報道の一元化、国の主導による除染、放射線測定データの管理、食品に含まれる放射性物質の扱い、住民の被ばく線量管理などが円滑に機能することを期待する。さらに、福島第1原子力発電所事故の収束を数十年にわたり主導すること、稼働中の原子力発電所の安全確保、核燃料再処理施設がかかえる技術的問題、プルトニウムリサイクルの問題、使用済み核燃料の最終処分などの諸問題に立ち向かうことを期待する。

 

福島事故に関する提言