社会や音楽etcについて

 

反骨を貫いた科学者の秋山明胤さん

2017.04.20

2018.02.16 訂正

 

化学者・秋山明胤さんが2016年11月に亡くなられていた。

 

秋山さんは東京工業大学の先輩であり、大学の同僚であった。我が家が現在の住所に越してきた1983年以来のご近所の人でもある。彼は、弱者に優しい、科学センスに優れた有能な研究者であった。

 

しかし、東京工業大学においては不遇であり、助手のままの身分で定年退職された。誠に残念なことである。

 

弱者に優しいが、強者には厳しい。秋山さんは、「長い者には巻かれろ」の精神とは真逆の反骨精神で一生を通された。だからと言って、卑屈になることは一切なく、朗らかに過ごされた。尊敬に値する先輩である。

 

彼は、定年退職後、近所の小学校で子ども達に自然科学の面白さを教えるボランンティアー活動を立ち上げた。小川も退職したら手伝えと言われていたのですが、、、、

 

晩年は、自分が前立腺ガンに罹っているにも関わらず、認知症の奥さんの介護に尽力された。彼女の症状が徐々に悪化する事態に対応するために工夫することが楽しいと言っておられた。介護のかたわら、東京理科大学に非常勤講師として出かけ、多くの学生に向けて「英語で化学(科学?)を講義」されていた。人気の高い講義であると本人が評価していた。講義の前日には奥さんを近所の介護施設に預け、翌日は早朝に大学へ出勤された。

 

秋山さんは、亡くなる直前、おぼつかない足取りで奥さんの手をひきながら散歩をされていた。今から思えば、これがお目にかかった最後の姿であった。

 

秋山明胤さんのご冥福をお祈りします。

 

追記

2017.04.20の時点で、秋山明胤氏が在籍された研究室の関係者にご迷惑をかける記述がありました。誠に、申し訳ありありません。本日、2018.02.16に、その部分を削除しました。

 

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