大線量の一時被ばくでは影響が30日以内に現れます。しかし、低線量率で小線量を被ばくする場合、影響は何年も経てから現れると考えられているため。
正直なところ分かりません。高線量率の場所は放射性物質を除去した後に戻ることになります。除去するかどうか、除去後に戻ってもらうことなどは政策の課題と考えます。除去作業そのものは1〜2週間もあればできそうです。対処の方針ができるまでの時間、除去方法が決定されるまでの時間などが必要です。楽観的な見方をすれば、1年くらいで戻れるのではないでしょうか。
大気中の放射線量を測定することは簡単です。毎日測定した結果を公表することも技術的には簡単です。問題は誰がそれを担当するのか、どの媒体で発表するのかなどでしょう。
例えば、自治体(市役所)の職員が毎日、市内の数カ所で測定し、その数値を当日中に公表する場合を想定するならば、それは市町村の政策に関係します。
水道水や食品に含まれる放射能を測定することは簡単ではありません。特別な装置が必要です。測定には技術と経験も必要でしょう。そのため、分析サンプルを専門の分析センターに送り、そこで測定してもらうことになります。分析センターには沢山の分析依頼が殺到していると聞いています。そのため、水道水検査を毎日行い、その結果を当時中に公表することは仕事量の観点から不可能です。せいぜい、1〜2週間に1回測定し、データの公表は数日後となるでしょう。
なお、放射線測定方法については「解説:放射線測定の方法」をご覧ください。
NHK-TVでの解説によれば、セシウム137を含んだプルーム(雲のようなもの)が福島原発から出て、各地の上空を通り過ぎた。それが神奈川や静岡にたどり着いたときに気象条件が変わり、セシウム137を含んだプルームが地上に下りて来た。3月15日と3月21日の2度、プルームが東京を通過したそうです。
100ミリシーベルトの被ばくによりガンの発生確率が0.5%増加すると仮定すれば、20ミリシーベルトの被ばくによってガンの発生確率が0.1%増加することになります。リスクが増えますが、被ばくした人が全てガンを発症することではありません。
他方、放射線障害防止法では、5年平均で年間1ミリシーベルトであり、単独の1年であっても5ミリシーベルトを越えてはならないとなっています。今回の年間20ミリシーベルトは原子力事故と言う非常時における数値です。
しかし、非常時だから年間20ミリシーベルトを我慢して受け入れろという指示は乱暴です。1ミリシーベルトに、せめて5ミリシーベルトに近づける対策としての除染を行うことが先にあるべきです。これ以上どうしても線量を下げることができないときに、年間◎◎ミリシーベルトで我慢してくださいとお願いするべきものと考えます。